ソーシャルレンディングの案件の選び方

ソーシャルレンディングとは、利用者が事業者を通じて企業などに資金を貸付け、返済金に含まれる利息の一部を配当金として得る投資のことです。
仮に、資金の融資先が経営破綻して返済が不能になると、出資した資金を失うことになる危険性があります。従って、ソーシャルレンディング事業者が提供する案件の安全性が最も重要になります。

そこで、安全な案件を選択しなければなりませんが、その選択ポイントには以下の5つが挙げられます。

ソーシャルレンディングの案件の選び方:その1・企業名の確認

出資する時に第一に確認しなければならないのが、資金の融資先です。
どんな企業に貸し出されるのか教えてもらえなければ、借金だらけの企業に貸し出されても分からないことになります。

実は過去、融資先の企業名は匿名とされており、利用者はソーシャルレンディング事業者を信用するしかありませんでした。
ソーシャルレンディングはまだ新しい投資事業であるため、中にはレベルの低い事業者がおり、詐欺まがいの事件が何件か発生しました。
ソーシャルレンディングはそのシステム上、融資先からの資金の回収は事業者に一任するしかありません。従って、事業者が悪質な企業だと、資金の回収が不能になります。

現在は、金融庁の方針転換によって融資先の匿名化が解除されました。
また、金融庁の指導によって、融資先の情報公開が増加しています。
そこで、最初に確認することが資金の融資先の情報です。
凡その情報でも分かれば、出資に対する適正な判断ができます。仮に、情報が明瞭でない場合は、少なくとも運営面で信頼できる事業者以外の案件には出資しないのが、安全に対する賢明な策です。

ソーシャルレンディングの案件の選び方:その2・事業者と融資先の関係

融資先の企業とソーシャルレンディング事業者の関係性も重要です。
過去にあった詐欺まがいの事件には、融資先がソーシャルレンディング事業者の親会社ということがありました。
当然、返済を無視するかのような無謀な貸付になるため、貸付金に対する管理が杜撰であり、それが貸付金の焦げ付きに繋がりました。
グループ企業に貸付をするような事業者の案件は避けるべきです。

ソーシャルレンディングの案件の選び方:その3・財務状況の確認

融資先が確実に返済できるかどうかは、財務状況が大きく影響します。
融資先の企業概要を見るなり、事業者に確認するなり、できうる限り自分で調査することも大切です。
なお、近年のソーシャルレンディング事業者の中には、融資先の財務状況まで公開するところもあります。
どうしても財務状況や事業状況が確認できない場合はその1と同様、信頼できる事業者の案件に出資するというのが前提になります。

ソーシャルレンディングの案件の選び方:その4・確実な保証

事業の運営は何が起きるか分からないため、突発的な事象によって急に行き詰まることもあります。つまり、返済不能に陥るリスクは常について回ります。
従って、返済不能による貸倒れが発生した時に、その債務を賄えるだけの保証が肝心ということです。
ソーシャルレンディングでは不動産を担保に設定してあるものが多くなっています。詳しくはソーシャルレンディング・ラボなどの専門メディアでチェックする必要がありますが、事業者の中には、オーナーズブックなど、ほぼ全ての案件に不動産を担保として確保しているところもあります。
担保があれば、回収におけるリスクが減少します。
また、保証には代表者の連帯保証や保証会社の保証もあります。ただし、いい加減な担保だと意味が無いので、内容を精査することが大切です。

ソーシャルレンディング案件の選び方:その5・運用期間

安全性の面でいうと、運用期間も影響します。
長期の運用になると、どうしても融資先の返済リスクや、事業者自体の破綻リスクが高くなります。
初心者の内は、できるだけ数ヶ月で償還できる短期間の案件に出資した方が得策です。